前回に引き続き、平成28年8月31日に公表された一般社団法人金融先物取引業協会(金先業協会)と東京外国為替市場委員会が実施したアンケート実態調査の集計結果を検証したいと思います。
アンケート結果を3つのビジネスモデル要素で分けると、以下のようになりました。
興味深い点として、アンケート結果では調査対象会社における2016年4月度の取引高を多い順に順位付けした後、3つのグループに分けてその結果を公表しています。
- 第一グループ(第1位~17位)
- 第二グループ(第18位~34位)
- 第三グループ(第35位~51位)
それでは、それぞれのビジネスモデル要素における順位グループ別の採用数の分布はどうなっていたでしょうか?
取引システム
- 第一グループ
- 内製システム/ASP:76.0%
- ホワイトラベル:24.0%
- 第二グループ
- 内製システム/ASP:61.9%
- ホワイトラベル:38.1%
- 第三グループ
- 内製システム/ASP:42.1%
- ホワイトラベル:57.9%
【コメント】取引高が多いFX業者ほど、取引システムの内製化もしくはASPの利用が目立つ。逆に取引高が少ない業者はホワイトラベルのシステムを利用している割合が高い。
カバー取引先数
- 第一グループ
- 単数:28.0%
- 複数:72.0%
- 第二グループ
- 単数:57.1%
- 複数:42.9%
- 第三グループ
- 単数:52.6%
- 複数:47.4%
【コメント】第二と第三グループでは、単数が複数を少し上回るくらいで、これといって大きな分布パターンは無いものの、第一グループでは複数の採用数が突出している。
マリー
- 第一グループ
- あり:64.0%
- なし:36.0%
- 第二グループ
- あり:38.1%
- なし:61.9%
- 第三グループ
- あり:26.3%
- なし:73.7%
【コメント】取引高が多いFX業者ほどマリーをしていて、逆に取引高が少ない業者はマリーをしていない割合が高い。
ここまでアンケート結果を見てきましたが、一つの結論を見出すことができたかと思います。それは、取引高上位業者ほど、
- 内製システムもしくはASPを利用しており
- 且つマリーしている
という点です。つまりはB Book業者なわけです。
次回、この点についてもう少し考えてみたいと思います。