遵守意思表明について

前回、市場参加者がグローバル外為行動規範(略:コード、英文:FX Global Code)を採用するというコミットメントを表明する手段として、外国為替作業部会(FXWG)が「遵守意思表明」テンプレートを用意していることを書きました。

これです↓(出典:東京外国為替市場委員会によるコード和訳)

今回は、この「遵守意思表明」についてさらに掘り下げて考えてみましょう。

 

まず、「遵守意思表明」を利用する目的は何なのでしょうか?

コードに付属されている「グローバル外為行動規範に関する「遵守意思表明」の説明文書」には以下のように書かれていました。

「遵守意思表明」は、外国為替市場の透明性を高め、より円滑にし、機能を強化するという、グローバル外為行動規範の目的を後押しするために作成されました。この目的のため、「遵守意思表明」は、(i)市場参加者がグローバル外為行動規範に示されている適切な慣行を採用し、これを遵守する意思を示すことができ、かつ(ii)市場参加者及びそれ以外の者が、他の市場参加者の業務及びコンプライアンスの基盤をより客観的に評価できる手段を提供しています。

つまり、下記2点が主な目的と言えそうです。

  • 市場参加者がコード遵守の意思を表明の手段
  • 世間一般の人々が遵守意思を表明した市場参加者を把握するための手段

 

ですので、市場参加者は、本表明を自社HPに掲載することにより、本コードに沿ったかたちで外為業務を運営することにコミットしていることを対外的にアピールすることができるわけです。実際、インターネットを調べてみると、すでに結構な数の金融機関が遵守意思表明をしています。(個人向け)FX業者については、海外ではサクソバンクが表明を公表していますが、この記事を書いている時点では、日本において未だ皆無です。

FXWGの狙いはこんな↓感じなんでしょうね。

  1. 市場参加者が組織内で自主的にコードを採用
  2. 「遵守意思表明」をHPなどで対外的に公表
  3. 世間一般の人がそれを見て評価
  4. コードの認知度上昇
  5. さらに多くの市場参加者がコードの採用を検討
  6. 1.に戻る

 

ここで一つ問題が発生します。市場参加者がそれぞれのHPなどに公表するだけですと、どの企業が遵守意思を表明しているかを一般の人たちが把握するのに結構な手間がかかります。いちいち各企業のHPにアクセスして調べないといけないからです。

そこでFXWGは、各国・地域ごとに市場参加者からの遵守意思表明を集約し、HP上で掲示する「Public Register(登録機関)」を設けることを計画しています。日本においては東京外国為替市場委員会が登録機関となり、遵守意思表明をおこなった市場参加者のリストを管理するようです。

なお、東京外国為替市場委員会によると、遵守意思表明の目標タイミングは下記の通り、とのこと。

• 第一陣:東京外為市場委委員が所属する金融機関等・・・2017年末(仮)
• 第二陣:それ以外のセルサイド金融機関・・・2018年前半(仮)
• バイサイド市場参加者・・・期日は定めないが、早期の遵守意思表明を歓迎

 

また、各国・地域毎での遵守意思表明先リスト化に加え、グローバルに市場参加者の遵守意思表明状況の確認を容易にするため、各国・地域における登録機関のリスト化も検討されています。この件に関しては、16か国・地域の外為市場委のグローバ
ルな集まりとしてのグローバル外為市場委員会(Global Foreign Exchange Committee: GFXC)が旗振り役になることが想定されています。

上記をまとめると、こんな↓感じでしょうか。

 

なお、東京外為市場委員会が登録機関の役割を担うに当たり、遵守意思表明の提出方法などの詳細については、追って当委のHPに掲載する予定、とのことです。

また、2017年6月14日に開催された日銀の「グローバル外為行動規範に関する説明会」によると、証券会社への周知活動は業界団体である日本証券業協会を通して実施するとのことですので、FX業者に対しては同じく業界団体である金融先物取引業協会を通して今後実施されることが想定されます。

※本記事を書いているタイミングでは、金融先物取引業協会のHPにはそれらしき情報は見当たりませんでした。

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