FX業界を取り巻く規制

さて、みなさんは外国為替証拠金取引(略:FX)というと、どういう印象を持っているでしょうか?

残念ながら、新聞には上のような見出しがしょっちゅう踊っているため、金融商品としてのFXの地位は低いままです。また、最近ではだいぶ減ってきましたが、海外の未登録業者にまつわるトラブルも後を絶ちません。

こんな悪評を消すため、と思ったかどうかは知りませんが、監督庁は過去10年にわたって様々な法規制を整えてきました。

出典:証券アナリストジャーナル 2016年4月

 

御覧の通り、結構な数の規制が比較的短期間に施行されました。

もちろん、これら規制のお蔭でお行儀の悪い業者が減り、個人投資家の資産が保護される結果になった訳ですが、次から次へと施行される規制の対応に、業者側は常にてんてこ舞いでした。システムの対応、プロセスの変更、ビジネスモデルの見直しなど、常に対応に追われていたのを私もよく覚えています。

 

主だった規制には以下のものがあります。

取引業者登録義務(2005年5月)

この時から個人向けにFXサービスを提供する業者は、監督庁に登録の義務が課せられました。具体的には第一種金融商品取引業をおこなう旨を登録する必要があります。海外業者は基本的には全て無登録業者です。これらについては、金融庁がリスト化し、HP上で定期的に情報を更新しています。

不招請勧誘禁止(2007年9月)

勧誘の要請をしていない見込み客への訪問、電話等での勧誘をする行為が禁止されました。もともとは商品先物業者の無理な勧誘を取り締まるため施行されたものですが、FXなどの店頭デリバティブに対しても同様の措置が取られました。これは、当時のFX業者の殆どが商品先物業者から派生していたことが理由と考えられます。

証拠金の信託会社等への金銭信託一本化(2010年2月)

顧客の預かり証拠金について2005年5月以降、自己の勘定(口座)と分けることが必須となりましたが、2010年2月以降は全ての預かり証拠金を信託銀行等に信託することが必要になりました。

レバレッジ規制(2010年8月、2011年8月)

射幸心を煽る過剰な投機行為を規制するため、レバレッジが先ず2010年8月に最大50倍まで、そして2011年8月には最大25倍まで下げられました。ただし、本規制の施行対象は個人投資家に限られるため、高レバレッジでの取引を望む一部の投資家は、法人を設立して規制対象外の法人口座にて取引し始めるという現象も発生しました。これら法人口座に関しては、2017年5月から別のレバレッジ規制が施行されています。

 

ここ数年に関していうと、新たな規制が導入されていません。その代わり監督庁が注力を入れているのは、いわゆる「フィデューシャリー・デューティー」で、金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を2017年3月30日に公表しています。

この「フィデューシャリー・デューティー」ですが、実はグローバル外為行動規範にも通じるものがありますので、また別の機会に掘り下げて検証したいと思います。

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