コードの適用対象者

では、グローバル外為行動規範(略:コード、英文:FX Global Code)の適用対象者は誰なのでしょうか?

いわゆるインターバンクに参加している金融機関(銀行)だけ?もしくは個人投資家も含まれるのでしょうか?

2017年5月25日に本コードが発表されると同時にリリースされた各種メディアには、「全ての外為ホールセール市場参加者に適用」という文字が踊っていましたが、これはどういう意味でしょうか?コードの序文には以下のように記載されていました。

外国為替市場には様々な参加者が存在し、それぞれ異なる方法で多様な商品を取引している。グローバル外為行動規範は、この多様性を念頭において作成されており、セルサイド及びバイサイドの組織、ノンバンク系流動性提供者、電子取引プラットフォームの運営者、仲介、執行、及び決済サービスを提供するその他の組織等、外国為替市場に関与する全ての市場参加者に適用されることが想定されている。市場の多様性を考慮すれば、全参加者に対して適用できる画一的なアプローチは存在し得ないが、グローバル外為行動規範は、責任ある市場参加者のための共通のガイドラインを定めることを目的としている。

ちなみに2016年に公表された第一フェーズも確認しましたが、一部翻訳に変更があったものの内容は基本的に同じでしたので、想定されている適用対象者は、コードの策定期間中に変更がなかったことが分かります。

 

ポイントは「全ての市場参加者」が対象であるという点です。コードではさらに具体的な参加者を幾つか例示しており、その中には以下の(主にFX業界に関係する)組織も含まれていました。

  • 金融機関
  • ノンバンク系流動性提供業者
  • ブローカー(個人向け外国為替証拠金業者を含む)
  • 電子取引プラットフォーム

逆に以下の組織に関しては、いわゆる「市場参加者」に該当しないので、本コードの適用外とのことです。

  • レート配信プラットフォーム(※)
  • 個人顧客全般

(※)取引機能の無い、レート配信のみ可能なプラットフォームを指していると思われます。

 

これら情報を総合すると、本コードがFX業界も念頭に置いて書かれていることが明らかです。また、本コードがFX業界で今まで当局の直接的規制対象外であったカバー先としての金融機関およびノンバンク系流動性提供業者や、電子取引プラットフォーム(を提供しているIT会社)にまで対象者を広げていることが非常に興味深いと言えます。もちろん、FX業者が本コードの適用対象者であることは言うまでもありません。

今はまだ業界内でもほとんど情報が無いですが、FX業界にもグローバル外為行動規範の波が押し寄せてくることは必至です。

将来的には、個人投資家がFX業者を選ぶとき、その業者自身がコードへの遵守を表明しているかどうかが大切なポイントになりますが、さらにはその後ろにいるカバー先およびプラットフォーム提供会社が遵守表明しているかどうかも大切な選定基準になることでしょう。

今後の動きに目が離せません!

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